危機管理

“危機管理”とは?

危機管理とは、自然災害や事故、事件などの危機に備えて、適切な対処ができるようにすることです。危機対処に当たっては、その発生防止こそが最善の策といえます。

一方で自然災害や外部要因によって発生する危機は、未然に防ぐことが難しいものが多々あります。
これらの危機が起きた場合に、悪影響を最小限に抑えるとともに、迅速に危機的状況からの脱出・回復を図れるように備えることが「危機管理」です。

そのためには、起こりうる危機やそれに伴うリスクを事前にリストアップし対策を講じ、危機が発生した場合、悪影響を可能な限り早急に取り除く作業をし正常化に導く計画を立てられるような体制を整えることが必要です。

憂いなければ備えなし

『備えあれば憂いなし』ということわざがありますが、これは安全対策の結果論を述べたものだと考えます。様々な企業・団体の皆様の立場に立てば、多角的な“備え”(準備)をしておけば、その結果として事業活動は“憂い”(心配)なく遂行されるということでしょう。
しかし、「その“備え”とは、具体的にどのような“備え”ですか」と問われると、皆様は、はたと迷ってしまわれるのではないでしょうか。
大切なことは、例えば「地震が発生する」、「トラブルに見舞われる」、「サイバー空間の脅威にさらされる」、「子供さんの安全が脅かされる」という具体的な“憂い”を持つことです。
具体的な“憂い”を持てば、それに対する具体的な“備え”が必要なことがわかります。

今日の内外情勢を見渡すと、まさに事業活動は様々なリスク・危機と隣り合わせの状態です。そうした中で、リスク感性・危機意識(つまり“憂い”)を持つことにより、そうしたリスク・危機を防ぐため、あるいは軽減・回避するためにどう対処したらよいのかという対策(つまり“備え”)が構築されるのです。
ここで強調したいことは、危機管理経営の1丁目1番地は、“憂い”=リスク感性・危機意識を持つことから始まるのです。『憂いあれば備えあり』です(“憂い”を持ちながら“備え”のない経営に持続的発展はありません)。逆に、経営者やビジネスパーソンが“憂い”を忘れれば、“備え”は出てきません。
『憂いなければ備えなし』なのです。

先の見えない時代の備え

「まさか」そんなことは起こらないだろうと思っていたことが起こる時代です。かつてなかった気候変動による自然災害、新型コロナウイルスの発生・蔓延と長期化、ロシアによるウクライナ侵攻、企業・団体に対するサイバー攻撃、そして元総理に対する襲撃事件。起こるはずのなかった「まさか」が起こっているのです。
また、企業における個人情報流出やハラスメント事案、学校や病院・介護施設内でのいじめ・人身事故などにより損害賠償を求められたり、社会的信用を失墜したりする事例も絶えません。リスク・危機の発生は、経営に甚大な被害・損失をもたらします。

あらゆる企業・団体に必要な危機管理

すべての企業・団体はもちろん、病院や学校、福祉施設、イベント主催者など、人が集まるところ(コミュニティ)には、「危機管理」が必要です。
自然災害をはじめ、あらゆる「リスク・危機」というものは、いつどこでどのような形で起こるかわかりません。さらに同じ「リスク・危機」であっても、業種、業態、事業規模によって影響は様々で、企業・団体ごとに必要な対策は異なります。
危機管理を徹底することは、同業他社との差別化となり、自社の企業・団体価値をあげることにつながります。